「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者:菅原洋平
出版:アスコム
著者は脳のリハビリ専門作業療法士という。脳の仕組みについて理解してうまいことやろう!という本。
中身を知らずに読みだしたんだけど、うまくやってデキるビジネスパーソンになろう!というより
○「より速く、より多くこなすことが要領がいい」と思い込むこと
○「生産性のないこと」をして無駄な時間を過ごすことを恐れること
○「人に評価されること、価値を生み出すこと」ができなきゃダメだ!という先入観を持つこと
をやめて、価値のあるなしは自分でやってみて、自分なりの価値を見つけようよ、というやさしい提案のある本だった。意外。
そのうえで、「同じミスを繰り返さないように」とか「何から手をつけたらいいのか」「やり方が違う人と仕事でうまくやるには」という悩みや混乱に、脳の性質を利用してこうしてみるといいよという指南。
読んでみたら思った以上にいい本だった。
○要領の良さ=速くたくさんやる ではない。ムダがなく再現性がある、とここでは定義。
○期待や気合/不安や焦り、どちらでもパフォーマンスは低下する。リラックスが◎。
快楽物質ドーパミン
メリットは幸福感/やる気、デメリットは気を取られる/目移りする。新しい刺激をどんどん欲しがる。期待、自分の優位性を示したい/自己肯定感を得たい。
暴走を止めるにはすきまを作る。
○席を立って歩く、切り替える行動を取る、事前に準備をしておく。
○抑圧→反動を防ぐ工夫、不快な感覚を思い出す。
○デジタルデトックスで刺激から離れる。
集中するコツと脳の省エネ化
○1つの作業に1つのスペース。
○5つ以上の作業は15分で周回する。
○先の展開が詳細に予測できるほど省エネ→ミスしにくい。
➀映像化 ➁言語化 ➂動作化 でリハーサルする。
先延ばしを防ぐ
○責めない→「またひとつ学んだ」などのポジティブな言い換え
○一日の区切りを落ち込みやすい夜でなく朝に設定
○Todoリストを増やさずセットですぐこなす/すぐ終わるTodoを探せるようになる
○課題を細分化しビンゴゲーム化する
○Todoリストに入れると同時に詳細をイメージする
○自分の5分、10分、30分でできることを把握する
○終了時刻の決定/自分で締め切りを決める→フィードバックをする
○リストは隠す
○やっちゃう前に「またやるな」
○「またやっちゃった」は期待、幻想である。幻想を捨てる
自分で自分の状況を把握する
○生理的な前兆を知る
○興奮サインーすきまを作る行動を取る
○鎮静サインールールに則って寝る
睡眠ルール
○起床直後の行動/起床時間の差に気を付ける
○起床4時間後/8時間後/11時間後に合った作業をする
○先取りして寝る/眠れないときは起きる/毎日必ず眠っている時間の確保
「同時系」「継次系」を知って人付き合いや自分の効率化に生かす
○人には同時系、継次系という情報処理のタイプがあり、どちらも使うが偏りがある。
○同時系ービジュアル、イメージ先行。勢いがある やりながら考える ひとつひとつが大雑把になりがち
○継次系ー全体を網羅する、順序が大事。隅までくまなく 細部に目が行き過ぎて全体を見失いがち
自分に向いたやり方でうまくいかないのなら自分と違う傾向のやり方を試してみる。
タイプに合ったノート、メモ術
○同時系ーペンの色を使い分け、文字の大きさ、距離に意味を持たせる。思いつくままに書き出す。
○継次系ー左から右、上から下、位置関係を意識、順序立てる。最初のページにゴールを書いて目的を整理する。
同時系、継次系というのが非常にわかりやすく、自分が思い切り継次系なのでとても参考になった。
何より「要領がいい」もそうだが、思い込みを捨て、自分の傾向を知り、違う選択肢、別のタイプのやり方を柔軟に取り入れていこう!というやさしい本。おもしろかった。
同じ著者の他の本も読んでみたいと思う。